宅建過去問題・模擬試験問題の解説ブログ

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自己所有の建物に妻Bと同居していたAが、遺言を残さないまま死亡した。Aには先妻との間に子C及びDがいる。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1. Aの死後、遺産分割前にBがAの遺産である建物に引き続き居住している場合、C及びDは、Bに対して建物の明渡しを請求することができる。
2. Aの死後、遺産分割前にBがAの遺産である建物に引き続き居住している場合、C及びDは、それぞれBに対して建物の賃料相当額の4分の1ずつの支払いを請求することができる。
3. A死亡の時点でBがAの子Eを懐妊していた場合、Eは相続人とみなされ、法定相続分は、Bが2分の1、C・D・Eは各6分の1ずつとなる。
4. Cの子FがAの遺言書を偽造した場合には、CはAを相続することができない。




正解・解説は「続きの記事を読む」で確認できます。


正解 3 (平成16年度)

1. 誤り。共同相続人の一人が、共有物を単独で占有している場合、他の共同相続人は、その持分の価格が過半数を超えるときでも、当然にその明渡しを請求することはできない(判例)。まして、本問のBの持分とC及びDを併せた持分は等しいのであるから、C及びDは、Bに対して建物の明渡しを請求することはできない。
2. 誤り。共同相続人の一人が、相続開始前から被相続人と同居してきたという事情があるような場合は、特別の事情のない限り、遺産分割によりその建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の同意があったものと推認され、他の相続人が貸主となる使用貸借関係が存続することになる(判例)。したがって、C及びDは、Bに賃料の支払いを請求することはできない。
3. 正しい。胎児Eは、相続に関しては既に生まれたものとみなされる(民法886条1項)。Eは、嫡出子であるから、その法定相続分はC及びDと同じである。したがって、配偶者Bが2分の1、C・D及びEは、それぞれ6分の1ずつの相続分を取得する(民法900条1号)。
4. 誤り。相続に関する被相続人の遺言書を偽造した者は、相続欠格者として相続人となることができない(民法891条5号)。しかし、本肢では、遺言書を偽造したのは、相続人であるCの子Fであるから、それによってCが欠格者となることはない。





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